学生時代から「誰かの役に立ちたい」という思いが、私の背中を押し続けてきました。大学で国際的な場における中国語の重要性を実感し、上海で日本語教師として働き始めた頃は、慣れない土地で奮闘する日本人ビジネスパーソンたちと向き合う日々。買い物や病院での会話練習を通じ、彼らが「言葉の壁を越えた瞬間」の笑顔に、教育の力を痛感しました。
その後、名古屋大学での研究で出会ったのは、上海で起業する日本人の熱意。彼らが異国の地で挑戦する姿に、かつて私が教えた生徒たちの顔が重なりました。ECHINAで日本語話者向け中国語教育に携わる中で気づいたのは、「言語習得は単なるスキルではなく、文化理解への第一歩」だということ。しかしながら、多くの企業が中国市場で直面する「言葉以上の壁」――文化や思考の違い――を目の当たりにし、コンサルタント時代の経験が胸を突きました。
25年の上海校開校は、私にとって「原点回帰」です。ECHINAが培った「7割output・3割input」のメソッドで、学習者を「覚える」から「使える」ステージへ導き、ビジネス現場で真に役立つ中国語力を育みます。かつて私が生徒たちに教えたように、今度は上海で働く日本人が、言葉を通じてこの国の可能性を掴む手助けをしたい。
微力ながら、一歩一歩、言葉の架け橋を築く。それがECHINA上海校の使命です。
イーチャイナアカデミー上海校 校長 熊 剣欣